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院長のカプリチョーザ

みなさん こんにちは

 立て続けに来た大型台風のせいでしょうか?今年は秋の訪れが早い感じがします。例年より木々の色づきが早い感じがしますが、1か月予報では今月は例年より暖かいとの予報が出ています。先月末からインフルエンザの予防接種が始まりましたが、寒暖の差が厳しい時期です。皆さん、お体には十分お気を付けください。

 先月、紆余曲折の末に築地市場が豊洲に移転となりました。それにより2020年の東京オリンピック・パラリンピックがぐっと近づいてきたように感じます。日本産婦人科医会では2年前から2月4日を「風疹(ゼロ)の日」とし、「“風疹ゼロ”プロジェクト」を立ち上げました。2013年の大流行以降、年間100人弱の発症者であったのが、昨今の報道でもありますように、今年の夏以降1週当たり100人超えの患者数が報告されている。流行期に入って、幸い秋田県では現在のところ1例のみの報告しかありません。しかし交通網が発達して人々の往来が盛んであれば、いつ当県でも大流行してもおかしくありません。風疹については2012年8月の本稿でも述べましたが、昨今の流行から、改めて今月は風疹についてお話ししたいと思います。

 感染症法という法律により、2008年から風疹は「全数把握」といって、風疹と診断した医師は全例報告することになっています。2013年の大流行の際は約14,000人の報告がありましたが、男女比で見ますと男性が1万人以上と女性の3倍以上の患者数でした。男性は1979年度以前に出生した場合風疹ワクチンを接種する機会がなかったため、男性患者数の4分の3以上は当時30歳以上の年齢でした。また女性患者数の57%が20~30歳代のいわゆる「妊娠適齢期」に該当していました。そのため前回の流行時には、風疹ウイルスの母児感染により、赤ちゃんに白内障などの眼の疾患、難聴といった聴力障害や先天性心疾患を生ずる病態である「先天性風疹症候群」が45症例報告され、うち11例が亡くなりました。45症例の母体のワクチン歴を調べたところ、1回接種歴は11例、接種不明が19例であり、2回接種した経歴のあるお母さんは病児の出生は認めませんでした。

 前回の流行時、本稿では①これから妊娠を考えているご夫婦では、今一度各自の母子手帳を御覧になって予防接種の有無を確認してください。もし不確実であれば、ご夫婦そろって妊娠前に風疹の抗体価を調べてワクチンを接種してください、そして②妊娠中に風疹抗体価が低いといわれた方は分娩後にワクチンを接種して予防に努めてください、とお話ししていました。では今回の流行では、男女比や年齢構成はどうなったのでしょう。
10月17日の時点で風疹報告数は1,289人と1,000人を超え、男女比は男性1,062人、女性227人と男性が女性の5倍と前回よりも男性比率が高くなりました。男性は風疹抗体が低いといわれている30歳以上が84%を占め、女性は妊娠適齢期に相当する20~30歳代が59%と残念ながら前回流行時とほぼ同率でした。1,289人のうち推定感染源が確認できたのは200人で、そのうち「職場」と回答したのが94名と最多となっていました。

 あくまでも個人的見解ですが、定期予防接種がなかったため風疹にかかるリスクがあるにも関わらず、前回の流行を目の当たりにしても予防接種をしなかった「積み残し世代」という30代後半以上の男性が感染のターゲットになり、就労割合が高い20~30歳代の女性は職場での感染機会も高いことが考えられます。現在の流行もそうですが、今後再び風疹を流行させないためには、主な「積み残し世代」である「アラフォー世代以上の男性」へ積極的にワクチンを接種し、また「先天性風疹症候群」のリスクを減らすためにワクチンを2回接種することが重要である。そのためには個人への対応と同時に、職域における風疹感染という「リスク・マネジメント」への積極的な支援が望まれます。

 現在県内の市町村では「成人の風疹予防接種」ということで、①妊娠を希望・予定している女性、②その女性のパートナー、③現在妊婦のパートナーを対象に風疹予防接種の補助を行っています。残念ながら鹿角市ではまだその制度はありませんが、①~③に当てはまる方は、ぜひ積極的に予防接種を受けられて下さい(2018.11.1)。


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