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院長のカプリチョーザ

今年もあと4分の1を残すばかりになりました。

 東京オリ・パラも終わり、久々祝日のない月を迎えます(今年の10月のスポーツの日はオリンピック時期の7.23に移動したため祝日はありません・・・ご注意を!)。先月末で当地域では大規模集団接種が終了しましたが、今月末には例年同様、インフルエンザの予防接種が開始されます。COVID-19とインフルエンザを含めた他の予防接種を行うには2週間のインターバルを空けないといけませんので、ご注意ください。

 COVID-19の第5波も終息に向かい、まだ徐々にではありますが日常を取り戻しつつあります。第5波の形が今までに比べ高さがあった(患者数が多かった)ものの、幅が狭い(期間が短い)のは、やはりワクチンの効果といえるでしょう。反復する緊急事態宣言の効果が薄れる中、確かに現役世代への感染拡大という問題点はありましたが、順を考えると高齢者やハイリスク・グループへの短期間での多数接種が功を奏したと考えられます。近頃はワクチンを接種したものの感染してしまう「ブレイクスルー感染」が問題となっていますが、未接種者と比較し重症化リスクは低く、また抗体カクテル療法の登場により、早期治療により順調な回復も期待できるようになってきました。これからも変異を反復するためCOVID-19を根絶することは困難ではありますが、今後経口型の治療薬さえ登場すれば従来の季節型インフルエンザと同様な形で「withコロナ」のステージになると私自身は考えています。

 本稿でCOVID-19の話題を取り上げてから1年半が経ちました。当初は妊娠を考えている女性や妊婦さんへのワクチン接種に関していくつか「縛り」がありましたが、今年の6月中旬以降すべての希望する女性にワクチン接種が可能とし、また8月には妊娠時期を問わずワクチン接種を勧めると厚生労働省より発出されました。これを受け、マスコミでも「ワクチンで不妊になる」「ワクチンで流産する」といったものが、「デマ」「フェイクニュース」であると数多く報道されるようになりました。発信力の大きいところに、このように正しい情報を発出してもらうのは、やはり助かりますね。

 不妊についての「デマ」の根源を探ってみますと、ワクチンの薬剤情報にある「卵巣に分布する」といった一文からではないかと言われています。確かにその記載はあるのですが、その量は投与の「0.095%以下」という極めて少ない量で、最終的には「体外に排出される」のです。数値や代謝過程を入れず「卵巣に分布する」とだけ記載することにより、不妊の心配を煽っているようにしか思えません。そもそも卵子は大人になってから作られるのではなく、出生前の胎児の卵巣の中に、すでに卵胞という袋の中に卵子が入っているのです(これを「原始卵胞」といいます・・・詳しくは2020.8.1の本稿をご覧ください)。ごく微量で蓄積もしない物質が卵胞という水たまりの中に入っている卵子に影響を及ぼすというのは、今でいう「無理ゲー」なことなのです。

 同様に流産についての「デマ」の根源を探ってみますと、どうもワクチンの製造元であるファイザーの元幹部が話した?内容らしいようです。その内容というのは「子宮の中で胎盤を形成するタンパク質と、ワクチンで作らせたコロナウイルスのスパイクタンパク質(ウイルスが人間の細胞に取り入るときに使う部分)の構造が似ている。なので、ワクチンで作られた抗体が胎盤を作るタンパク質も攻撃することで不妊症になる」ということのようです。でも結論から言いますと、コロナワクチンでできた抗体は胎盤のタンパク質を攻撃しません。通常胎盤は妊娠7週ころから作られ始めますので、その頃は妊娠検査薬で既に陽性となり、皆さんが「おめでた」で受診している時期です。なので仮にその「デマ」通りに胎盤が抗体に攻撃され不幸な結果に陥ったとしても、それは「流産」であり「不妊」ではありません。すでにワクチン接種による流産率の差は認められないことは数多くの報告から明らかですので、これもまた「無理ゲー」と言わざるを得ません。

 私から見ますと、このような「デマ」や「フェイクニュース」を流す「奴ら」は、「不妊」と「流産」の定義も理解のできない、いたずらに健康不安を煽る「蔑むべき奴ら」です。どうか皆さんは信頼できる情報筋から正しい情報を得て、適切な判断をなさるよう、お願いいたします(2021.10.1)。


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